ブラジル人プロサッカー選手の日本での税務ガイド|短期移籍時のポイント

Jリーグでプレーするために来日するブラジル人選手にとって、日本の税制は非常に複雑に感じられるかもしれません。「自分は納税が必要なのか?」「払いすぎた税金は戻ってくるのか?」といった疑問にお答えするため、個人税務に関するQ&Aシリーズを開始します。今回は、6ヶ月の短期レンタル移籍を例に解説します。


【Question】6ヶ月のレンタル移籍で来日。日本での納税はどうなりますか?

「私は、ブラジル出身のプロサッカー選手で、これまでCampeonato Brasileiro Serie A (ブラジルのプロリーグ1部)のSCインテルナシオナル(https://www.internacional.com.br/)でプレーしていました。今年の6月にJリーグの鹿島アントラーズに6ヶ月のレンタル移籍の契約でやってきました。12月下旬にはブラジルに戻る予定ですが、日本で個別に納税手続きをする必要はあるでしょうか?」


【Answer】所属クラブが源泉徴収を行い、日本での確定申告は不要(不可)です。

鹿島アントラーズが毎月の報酬から税金を差し引いて代わりに納付するため、原則としてご自身で「納税」に行く必要はありません。


【解説】

1. 「非居住者」としての課税ルール

日本滞在が1年未満の予定である場合、税務上は「非居住者」に該当します。
手取り額: 報酬の約80%が手元に残る形になります。
・源泉徴収: 報酬を支払う鹿島アントラーズが、報酬の20.42%が所得税として天引きします。鹿島アントラーズは翌月10日までに源泉所得税を納付します。

2. 住民税の支払いは不要

住民税は「1月1日時点で日本に住所があるか」で判断されます。来日した年の1月1日に日本にいなかった場合、約10%かかる住民税の納付は不要です。

3. ブラジルとの二重課税を防ぐ「租税条約」

ブラジルは全世界の所得に課税する仕組みですが、日本とブラジルの間には「租税条約」が存在します。
租税条約 第13条: この条項により、日本で課税された報酬についてはブラジルでの課税が免除(または調整)され、二重課税を回避することができます。(参考 日本ブラジル租税条約:https://worldjpn.net/documents/texts/JPAM/19670124.T1J.html


【まとめ】

1年未満の契約で来日する短期滞在の選手であれば、日本での確定申告は必要無く、額面の報酬額から20.42%の源泉徴収が行われて完了となります。

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